国内のボディービル大会で長年活躍し、「伝説」と呼ばれる男性が埼玉県東松山市で開いたジムが好評だ。56歳の今も現役のトップ選手で、教えを請うために県内外の選手ら約800人が足を運んできた。ただ、順風満帆の競技人生ではなく、仕事や結婚をきっかけに1度は引退した。人生を変えたのは妻の言葉だった。
同県川口市出身の須江正尋さんは現役の選手。国内の頂点を決める無差別級の「日本男子ボディビル選手権」で、これまでに、予選を勝ち抜いた12人が出る決勝に23回進出し、2回準優勝した。念願の優勝はまだだが、決勝進出の回数が異例で、業界の「伝説」だ。
トレーニングを始めたのは高校生の頃。身長が低く、小柄なのがコンプレックスだった。筋トレをすると体が大きくなり、うれしくてのめり込んだ。進学した法政大学ではボディビル部で活躍。2年連続で学生チャンピオンになった。
卒業後の1992年に埼玉県警に一般職員として就職した。当時は「ワーク・ライフ・バランス」の概念はなく、早朝から深夜まで仕事の日々。終電での帰宅も少なくなかった。2度、日本選手権に挑んだが、満足にトレーニングをできていなかった。結婚を機に家庭を優先しようという思いもうまれ、競技を離れた。
再開のきっかけは、競技をや…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル